Joãoは明らかにBossa Nova以上だ」と評したのはCaetano Velosoであるが、同様のことはJobimにも言えると思う。
そう、明らかにAntonio Carlos JobimはBossa Nova以上である。そう思わせてくれたのはこのアルバムだ。
Em Minas Ao Vivo - Piano e Voz
これは作曲者であるところのJobimの自作自演、ピアノの弾き語りライブアルバムである。はっきりいって歌もピアノも「よれていて」全く上手くない。だが、それ故にはっきりと分かるJobimの音楽の特殊性。リズムをキープするパートがないので全くBossa Novaに聞こえない。というかJobimの曲はBossa Nova風に演奏するからBossa Novaに聞こえるのであってこのようにルバートをふんだんに使った弾き語りであると殆どクラシックのように聞こえる。
実際Jobimは自分の曲でも譜面を見ながら演奏をし、ジャズのアドリブのように聞こえる箇所も全て「書き譜」だったようだし、普段はDebussyなどを好んで弾いていたようだ。Jobimが弾く9thの和音はどちらかというと属九の和音と呼んだ方が正しいのかも知れない。
後に続く所謂Bossa NovaミュージシャンはJoão手本とし、その多くがギターの弾き語りから派生していったのに対し、Jobimを手本としそれに続く作曲家/演奏家というのはほとんど居ないのではないだろうか?
そういう点においてもJobimはBossa Nova以上であると言えると思う。
何度も繰り返し聴きたくなる素晴らしいアルバムです。



